税金や保険をできるだけ安くおさえるための工夫

総務省統計局の家計調査年報によると税金や社会保険料などを合計した「非消費支出」は平均で月額3万2,657円(2008年、高齢夫婦無職世帯)かかるそうです。内訳は直接税が1万5,223円、社会保険料が1万7,406円です。要するに年金生活者などの収入の少ない世代であっても、約3万円ちょっとのお金は税金や保険などで消えてしまうということです。

厚生労働省の発表によると夫婦二人の標準的な年金支給額は23万2,000円前後。非消費支出を支払えば、残りは約20万円程度になります。田舎で20万円の生活費ならまあまあというところかもしれませんが、都会では決して楽ではない金額といえます。

しかも、問題はこの非消費支出の金額は将来的に上昇していく可能性が高いことです。少子高齢化、財政赤字という二重苦の中では、税金や社会保険費用が将来大きく値上がりしていく可能性は十分にあります。

そこで考えたいのが、固定資産税などの安い田舎での暮らしになります。税金はともかくとしても、固定資産税や住民税が安い地域を見つけて田舎で暮らす方法です。ただ、田舎暮らしといっても、いきなり田舎に行ってしまうのは考え物です。これは海外生活もそうですが、短期滞在を繰り返して十分に準備を積んだうえで田舎や外国に引っ越すことが大切。そして、田舎での暮らしをイメージしておくことです。

また、注意したいのは田舎だからといって物価が安いとはかぎらないということです。消費者物価指数などを見てみると、田舎のほうがモノの値段は高いです。そこで、最近よくいわれているのが埼玉とか千葉の田舎に住む方法です。物価も安く、土地もたくさん余っていて野菜づくりも可能です。今、都心に近い田舎が注目されています。

「田舎暮らし」のメリットを現実的に検証してみよう

実際に年金生活をはじめるときに、とりあえずトライしてみたいのが、のんびりと都会の喧騒を離れて過ごす「田舎暮らし」ではないでしょうか。自給自足も夢じゃない格安で暮らせる田舎暮らしのメリットはいろいろあります。簡単に紹介すると

1.家賃や地代が格安……物価全体は都会のほうが安いかもしれませんが、格安の家賃で家を一軒借りて自給自足用の畑を作れば、都会の物価安をはるかに上回る節約になるはずです。

2.いままでの生活をリセットできる……現役時代に毎日やってきた外食や飲み歩きなど、お金のかかる習慣を田舎暮らしによってリセットができるメリットがあります。毎日ガード下で飲んでいた焼き鳥とビールも自分の家で作った枝豆と梅酒に変更できるかもしれません。

3.地方自治体の援助がある……各地方自治体が、積極的に田舎暮らしを希望する人にセミナーやツアー、ボランティアなどを企画しています。大半が団塊世代前後の人向けですが、意外と30代、40代の移住希望者が多いのが現実です。そういったセミナーなどに出てみるのもひとつの方法でしょう。

たとえば、自治体によっては希望者に就職斡旋をしてくれる「就業支度金」を出してくれるところもあります。さらに補助金が出る「定住促進奨励金制度」なども整備されている自治体があります。

この中で注目したいのは、地方自治体の援助です。田舎暮らしを本気で考えるのであれば、地元自治体の誘致制度を活用するのが賢い方法です。地域によっては、格安の住宅を分譲していたり、無料で1年間試験的に滞在できる制度もあります。

たとえば山口県岩国市では、「府の谷はたる村・グリーンピアやまざと」という滞在型体験農園施設を運営しており、コテージ付き農園5区画を1年間無料で貸し出しています。農園とコテージを1年間無料で貸してもらえる制度です(現在は空きなし)。

さらに、同じ山口県阿武町では「阿武町空き家バンク」を運営しており、リフォームした物件を月額8,000円とか1万5,000円で貸してくれる制度を実施しています。またタイミングがよければ、土地付き一戸建ての分譲住宅も売り出しており、木造瓦葺2階建て、宅地70㎡で築30年の物件が100万円なんていうケースもあります。詳細は阿武町空き家バンクのホームページを参照してください。

この他にも、福島県伊達郡川俣町は50歳以下という限定付きですが、UIターン希望者に対して「UIターン者定住奨励金」の制度があります。家賃に対して月額1万円の助成金が3年間支給されます。

こうした助成金などの情報がホームページで数多く紹介されていますが、それらを参考にして田舎暮らしを体験してみるのもひとつの方法かもしれません。東京都日の出町では75歳以上の高齢者の医療費を全額町が負担する政策を2009年4月から実施しています。その理由だけでも引っ越してもいいかなと思ってしまうのは私だけでしょうか。

ところで、田舎暮らしはいいことだけではありません。地元に溶け込めず人間関係に苦労したり、夏だけ見てすばらしいと思って移住したら想像を超える厳しい冬が待っていたなどなど、田舎暮らしのトラブルも数多くあります。十分なリサーチと準備、そして覚悟を持って移住することが大切です。そのためには2~3年の準備期間は最低でも必要かもしれません。

PR プロミス 通過率 プロミスの審査に通りやすいのか?審査通過率って関係あるの?

— posted by mamezo at 05:09 pm